芹が谷整形外科クリニックのブログ

冬の繁忙期と、当院の診察が予約制ではない理由

2023年11月11日

院長の平出です。暑かった夏も終わり、温かかった秋も過ぎ去ろうとしています。いよいよ冬本番の寒さを迎えつつありますが、皆さまいかがおすごでしょうか?本日は久しぶりにブログをアップしたいと思います。世間一般でどのような認識をされているか分かりませんが、医療の現場に於いては診療科目毎に「繁忙期」というものがあります。たとえば内科や小児科は、インフルエンザが流行する冬季、耳鼻科や眼科は花粉症がまん延する春秋、皮膚科は水虫や湿疹などが増える夏場といった具合に。

それでは整形外科はいつが「繁忙期」かと申しますと、冬場になります。理由としましてはまず、この時期になりますと気温の低下により血行が悪くなるため、肩こり腰痛などが出やすくなります。また、関節も冷えるため同様に痛みが出やすくなります。そして冬場はどうしても靴下などが厚めのものになり、屋内ではこたつや電気カーペットを使用する頻度が増えるため、屋内転倒のリスクも飛躍的に上がります。結果、腰部脊柱管狭窄症や、変形性関節症等の慢性疾患に加え、骨折などの外傷も増えます。要するに、冬場は全体的に整形外科の患者様は増える傾向にあり、例年このトレンドは変わりません。

患者様の数が増えると、当然外来は混雑します。当院は一時大学からの代診医師の派遣もお願いしておりましたが、諸般の理由によりあまり混雑対策にならなかったため、現在は院長一診体制で診療を行っております。極力待ち時間を短縮すべく、当院では3 BeesというPMS(ペイシェントマネージメントシステム)を導入したり、決まった時間にご案内が可能な運動器リハビリや骨粗しょう症の注射治療、骨密度検査につきましては積極的に予約制を導入しております。一方、一般診察の予約は承っておらず、度々患者様に「予約は出来ないんですか?」というご質問(クレーム?)を頂戴します。

当院が診察予約制を採用しない理由としましては、まず医師が院長一人の一診であることが挙げられます。整形外科という診療科は、外傷を扱うことも多いため、骨折をしたり、包丁で手足を切ったような「急患」にしばしば遭遇します。これらの外傷が立て続けに受診されることもあり、すべて通常診療の傍ら院長が1人で対応することになります。当院はどんなに忙しくても、基本的に診療時間内であれば患者様をお断りすることなく、診療を行っております。これは地域に密着した医療機関の使命と考え、当然の事と思っております。しかしながら、結果的に定期受診の患者様の待ち時間が長くなることがあります。

実は開院当初は、午後のみ診察予約を承っておりましたが、その後患者様が増えるにつれ度々急患対応で予約時間通りに診察が出来ないことに対するクレームがあり、予約制を断念せざるを得ませんでした。こうした事情から、恐らく今後も診察を予約制にすることは難しいと考えております。患者様に知っておいていただきたい事実として、雨の日は空いていて、その前後の日や連休明け、金曜日、土曜日などの週末は待ち時間がより長くなる傾向にあるということです。逆に水曜日木曜日午前は比較的空いていますので、緊急性がない場合はこうした日の受診をお勧め致します。

また、整形外科では患部を露出しないと診察になりません。冬場は服を着こむ事も多く、診察室に入ってから衣服の脱ぎ着をすると大変時間が掛かります。極力待合室で順番が近づいたら患部が出せるよう、ご準備いただけるとスムーズに診察が行えます(例:貼っている湿布などがあれば、予め剥がしておいてください)。チリツモですが、お一人の更衣時間は3分程度だったとしても、これが50人、60人となりますと、150分、180分という差が出て来ます。正直院長一人の努力だけではどうにもならない部分もあり、待ち時間の短縮にぜひ患者様にもご協力いただければ、と思います。