芹が谷整形外科クリニックのブログ

コロナ禍における開業医の役割

2021年09月13日

大変久々の更新とります。院長の平出です。首都圏では緊急事態宣言が再び延長となり、一時よりはCOVID-19新規感染者の数は減ってはいるものの重傷者は以前高止まり、なかなか先が見えない状況が続いています。望まれる方に一日も早くワクチン接種が行われ、一日も早くCOVID-19の治療薬が普及し、感染が収束することを願って止みません。さて、本日はコロナ禍に於ける我々開業医の役割について少々私見を述べさせていただきたいと思います。

報道等でも見られる通り、現在第一線でCOVID-19の対応に追われている国公立病院、一部の急性期民間病院は本当に大変な想いをして日々の診療を行っています。私も開業するまで18年間、急性期病院で医療を担ってきた一人として、病院の先生方、医療スタッフの方々、保健所の方々には本当に頭の下がる想いです。長く先の見えないトンネルの中、自らの危険を顧みず日々診療に当たっている現状がどれほど過酷なものであるか、察するに余りあります。

一方、我々開業医にも果たすべき役割というものがあります。我々は医療リソースやマンパワー、感染防御設備の観点から、COVID-19の患者様を直接治療することは適いませんが、逆にCOVID-19以外の患者様をしっかり地域医療の中で受け止めることで少しでも病院の負担を減らすことは可能だと考えています。現実問題として、病院は今、COVID-19対応で手いっぱいの状況です。であるなら、我々開業医が一所懸命それ以外の患者様の受け皿となることが極めて重要だと思います。

もともと、日本人は大病院信仰が強く、今までは病院にかかる必要のない軽症患者さんでも病院にかかっていました。もちろん、患者様には受診先を選ぶ自由がありますから、致し方ないことではありますが、やはりコロナ禍に於いては病院と開業医の役割分担はより重要になってきます。我々開業医がしっかり軽症患者様の受け皿となることで、病院の負担は大きく減ります。この事をぜひ患者様にも知っていただきたいと思います。

大病院のメリットとして、複数の科目にかかりつけの場合は、すべて一カ所で済む、というものがあります。当クリニックがある医療モール(イルカメディカルビル)にも、8月に待望の眼科が新規オープンしました。このため、現在当医療モールでは内科、整形外科、眼科という3科の診療体制となっています。総合病院には及ばないかもしれませんが、かなり広い分野の疾患をカバーできているのではないか、と思います。

これからはより一層他科との連携を深め、地域の患者様がわざわざ大病院に行かずとも、当医療モールで必要な医療が受けられるようになっていければ、と思っております。もちろん、地元医師会とも協力し、この大いなる困難を乗り越えるためにできることはすべてやるつもりでいます。秋冬にかけてはCOVID-19に加え季節性インフルエンザのリスクも考えないといけません。今年はインフルエンザワクチンの提供体制が例年の6割程度になるという予測も出ていますので、当院も出来るだけ速やかにワクチンの確保をしたいと考えています。