芹が谷整形外科クリニックのブログ

更年期と痛み①

2020年11月21日

※本ブログは、11月12日(木)ラジオ日本「みんなの健康ラジオ」出演時の内容を編集・抜粋したものです

みなさんは「更年期」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?更年期は女性ホルモンバランスの乱れから様々な症状が出現しますが、ほてりや多汗症、イライラなどの精神症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

しかし、実際には更年期になると関節のこわばり関節の痛み腰痛肩こり手のしびれなど、整形外科が扱うような症状が出現することも少なくありません。一般的に、閉経前後5年間ほどの期間を更年期と呼びますが、人によって時期や期間にはばらつきがあります。女性ホルモン=エストロゲンの低下により、さまざまな心身の不調を来すことがあります。

更年期の女性が整形外科を受診すると、「不定愁訴」として片付けられてしまうことも少なからずありますが、適切な対処により、この時期を痛み少なく過ごすことも可能です。更年期の代表的な症状として、肩こり、腰痛、背中の痛みなどがあります。原因としてはホルモンバランスのくずれや、それに伴う自律神経失調血管の老化などにより血流の低下が生じ、乳酸などの疲労物質が蓄積しやすくなったり、筋骨格系が衰えることが原因と言われています。

また、女性の場合は特に骨粗鬆症の発症リスクが男性と比べると高いため、よりこうした痛みが出やすくなるとも言われています。簡単な対処法としては全身のストレッチングや、ストレスをためない事長時間同一姿勢を取らないよう工夫する事が大事です。また、こうした症状の裏に、椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症などの病気が潜んでいることもあるため、症状が長引く場合には専門医を受診すると良いでしょう。

次回はこれら以外の症状や、更年期の痛みの治療について詳しくお話します。

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