更年期と痛み②
2020年11月25日
※本ブログは、11月19日(木)ラジオ日本「みんなの健康ラジオ」出演時の内容を編集・抜粋したものです
更年期に伴う痛みとして、腰痛や肩こりに次いで多いのが関節痛です。主に膝関節(=変形性膝関節症)や手指の関節の痛みやこわばり(へバーデン結節)を訴える方が多いです。朝起きた時に痛みが生じることが多く、関節リウマチと似た症状を呈することもあるため、注意が必要です。
この時期に特徴的なのは、レントゲン撮影をしても、ほとんど関節の異常が検出されることはなく、「異常なし」という診断を受けることが少なからずあることです。しかし、実際にはレントゲンに写らないレベルで更年期から関節の破壊が始まると言われています。加齢や女性ホルモン=エストロゲンの減少によって、関節を支えている軟骨や筋肉が衰え、関節内の水分減少、更に末梢の循環が悪くなったりすることによって関節痛が起こるといわれています。
また、最近の研究では、エストロゲンには関節軟骨を保護する効果があり、更年期を境にエストロゲンの低下から関節の破壊が始まるとする研究も発表されています。対処法としては適度な運動に加え、ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)をしっかり摂ることが大切です。また、関節の痛み以外にも、腱鞘炎や手のしびれといった症状も更年期が大きく関与しています。
こうした多彩な症状に対し、従来の薬物療法や物理療法に加え、プラセンタ療法や漢方治療、サプリメント(=大豆イソフラボン)治療などが有効です。更年期に於ける諸症状は、心と身体のバランスの不調が根底にあり、ひとつの方法ではなくさまざまな方法を試してみることで、上手く付き合い、そして克服することが重要です。更年期に伴う痛みでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。